2012年04月27日

4つの原則(続き) - 人の強みを生かす <4> -

 強みに基づいた人事を行うための4つの原則についての続きです。三つめは、その人間にできることか、をチェックすることです。

 どうすれば判断できるのでしょうか。P.F.ドラッカーは普段からの人事考課が重要としています。ただ人事考課が通常は(今の日本の人事考課がそれに該当するかどうかは不明ですが)ポジティブ面(うまくいっていること)の評価ではなく、ネガティブな面(うまくいっていないこと)の評価を行っているがゆえに、そのままでは役に立たないそうです。司法書士事務所の考課においても思い当たることがあるのではないでしょうか?
経営者は、以下のような独自の視点で評価すべきと言っています。

「まず貢献の目標と実際の成果を記録する。その後、次の四点について評価する。
   (1)よくやった仕事は何か
   (2)よくできそうな仕事は何か
   (3)強みを発揮するには何を知り何を身につけなければならないか
   (4)彼の下で自分の子供を働かせたいと思うか
      A そうであるならなぜか
      B そうでないならなぜか
」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 成果報酬、目標管理など日本でことごとく失敗したと言われている人事評価制度は、おそらくその人の強みを知るということに力点がなく、報酬と連動させて業績を上げるというところに比重を置いたためにうまくいかなかったのかもしれません。
評価者側が、その人の強みを知るための評価であることを認識し、そのことを部下にきちんと伝えていれば、もう少し建設的な取り組みができたように思います。

 四つめは、弱みを我慢することです。
 強みに注目し、強みを生かすためには、弱みがその強みを阻害しない範囲で無視する必要があるということです。では、強みを阻害する弱みがある場合、どうするのでしょうか。

「マーシャルは強みの発揮を制約する弱みだけを気にした。しかしそのような弱みさえ、仕事と機会を与えることによって乗り越えさせようとした。
  たとえばマーシャルは、1930年代の中頃、アイゼンハワー少佐に戦略的な思考を身につけさせるため戦略部門の仕事につかせた。その結果アイゼンハワーが戦略家になれたわけではなかった。しかし、戦略に対する敬意と理解力を身につけた。こうしてチーム編成や戦術についての彼の強みに対する制約が取り除かれた。
」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 弱みそのものを修正することを考えるのではなく、強みを生かすために障害となる弱みをカバーするというか軽減する方法を考えたほうがよいということでしょう。

 経営者自身の強みを知り、部下の強みを知る、そしてその強みを生かすためにはどうすればよいのか、そのことを常に考え実行できれば、組織として成果を出す一歩を踏み出すことができるのでしょうね。

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2012年04月23日

強みに基づいた人事を行うための4つの原則 - 人の強みを生かす <3> -

 P.F.ドラッカーは強みに基づいた人事を行うためには、4つの原則があるといいます。そのひとつめは、仕事が適切に設計されているかを確認するということです。

「仕事が、自然の摂理や神の手によるものであるかのごとき前提から出発してはならない。仕事は人の手によるものである。したがって不可能な仕事、人にはできない仕事をつくってはならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 もう少し詳しくいうと、

「前職において十分な仕事ぶりを示してきた人を二人、三人と挫折させる仕事は、そもそも人の仕事ではないものと考えなければならない。そのような仕事は設計し直さなければならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 司法書士事務所でも、なぜかこのポジションには人がなかなか定着しない、うまく仕事をこなせないということがよくあります。それは、仕事そのものが適切に設計されていないからかもしれません。経営者自身ができても意味がありません。もしかしたら、経営者の特性にのみ合った仕事になっているかもしれません。

 ふたつめは、仕事が多くを要求する大きなものかを確認することです。

「実際に仕事につくのは生身の人間である。そして最も単純な仕事でさえ、要求するものは必ず変化していく。しかも突然変化していく。そのため仕事と人の完全な適合は急速に不適合へと変わる。したがたって、仕事はそもそもの初めから大きくかつ多くを要求するものとして設計した場合においてのみ、変化した状況の新しい要求に応えていくことができる。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 仕事は可変的であるがゆえに、あまりにも狭い領域に限定した仕事を任せると、人と仕事とのミスマッチが広がるリスクがあるということです。特に新人を受け入れるときに配慮が必要です。

「大工や機械工として仕事ができるかは前もってテストできる。しかし知識労働に適したテストはない。知識労働において必要なものは、あれこれのスキルではなく総合的な適性と能力だからである。それらは実際に仕事をして初めて明らかになる。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 司法書士試験に合格したばかりの未経験者を採用する場合を考えてみてください。その方の特性をつかむためには、さまざまな仕事をやらせてみるということが重要です。未経験分野についての強みは、その人自身も採用する事務所側も事前に理解することはできないでしょう。経営者が知るべきことは、その人が何をできるかです。それを知るためには、多くを要求する大きな仕事を担当させてみることです。

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2012年04月16日

弱みを打ち消す組織をつくるには - 人の強みを生かす <2> -

 組織に属さずにすべてをこなすことができるスーパーマン、そんな人はめったにいません。組織が強みを生かし、弱みを消してくれる、だから人は組織を必要とするわけです。
 そして組織は、多様な人材を生かすことによって、総体としてまるで一つの生き物のように組織の外に対して成果を出すことができます。ですから私たち経営者がやらなければならないことは、

「われわれはそのような弱みを仕事や成果とは関係のない個人的な欠点にしてしまうよう、組織をつくらなければならない。強みだけを意味あるものとするよう、組織を構築しなければならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 ということです。ただこれがなかなか難しい。P.F.ドラッカーはその原因として以下の点を挙げています。

「主たる理由は、目の前の人事が人の配置ではなく仕事の配置として現れているからである。したがって、ものの順序として仕事からスタートしてしまい、次の段階としてその仕事に配置すべき人を探すということになるからである。そうなると、最も不適格な人、すなわち最も無難な人を探すという誤った道を取りやすい。結果は凡庸な組織である。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 司法書士の仕事に限らず、プロジェクトが決まり、それをいざ遂行するという順序から考えると、人の強みを生かすという観点が弱くなり、無難なチーム作りになりがちだということはわかります。

 ではどうすればよいのでしょうか?人に合わせて仕事を決めことができるのでしょうか。それもなかなか難しい気がします。人の強みをベースにしてジグソーパズルをはめて行っても、パズルは完成しないでしょう。

「仕事は客観的に設計しなければならない。人の個性ではなく、なすべき仕事によって設計しなければならない。仕事の範囲や位置づけを修正すれば、組織全体に連鎖反応が及ぶ。組織において、仕事は互いに依存関係にあり、連動している。一人を一つの仕事につけるために、あらゆる人の仕事と責任を変えることはできない。人に合わせて仕事の構造を変えるならば、仕事と人材の乖離は増大するばかりである。十指に余る人たちを動かさなければならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 パズルを完成させるには、仕事の設計から考えないといけないのです。

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