2012年09月24日

劣後順位の決定が重要 - 最も重要なことに集中せよ <4> -

 事務所を経営していると、ことの大小はともかく毎日のように何らかのトラブルにぶち当たります。
 従業員が辞めたいと言っている、クライアントからのクレームが来た、登記所から補正の連絡が、支払日にクライアントが入金してくれない、個人情報が漏えいした・・・・・・、その対応で確実に時間は取られてしまいます。「明日のための生産的な仕事」はたくさんあるのに、それに使える時間の量のなんと少ないこと!

 経営者は自分の時間を何のために使うのかを決定しなければなりませんが、上記のような「仕事の圧力」が経営者の時間を蝕んでいます。それによる弊害についてP.F.ドラッカーは次の3つをあげています。

「圧力に屈したときには重要な仕事が犠牲にされる。特に、仕事のうち最も時間を使う部分、意思決定を行動に変えるための時間がなくなる。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)
「トップ本来の仕事がまったく行われなくなることである。トップの本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく今日と違う明日をつくり出すことであり、それゆえに、常に後回しにしようと思えばできる仕事である」(『経営者の条件』上田惇生編訳)
「トップ以外の誰にもできないもう一つの仕事、すなわち組織の外部に注意を払うという仕事をないがしろにしてしまう。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 また、事務所経営者が何をすべきかを自ら決定する場合でも、悩ましいことは、何をすべきかという優先順位ではなく、何を行わないかという劣後順位の決定だとP.F.ドラッカーはいいます。

「延期とは断念を意味することを誰もが知っている。延期した計画を後日取り上げることほど好ましからざるものはない。後日取り上げてももはやタイミングは狂っている。タイミングはあらゆるものの成功にとって最も重要な要因である。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 タイミングを逸したことに取り組んでも成功はありません。時間は限られています。だから劣後順位を決めなければならないのです。
 しかし、劣後順位を決めることは優先順位を決めるより難しいことです。しなかったことを誰かが実行して、自分の機会損失になったら・・・・・・。そう考えると切り捨てることに躊躇してしまいますよね。

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2012年09月07日

過去を計画的に廃棄する - 最も重要なことに集中せよ <3> -

 月に10件の登記申請書を作るために、司法書士の業務用ソフトは必要ないかもしれません。最初のうちは、ワードなどでひな型を作って処理している司法書士事務所も多いようです。しかし、月に100件の申請書を作る仕事が最初からあれば、ワードでひな型を作ってということは思わないでしょう。
 仕事が10件、15件、20件と徐々に増えていった場合、従来の方法で何とか仕事はこなせますし、せっかく作ったひな型を捨て去ることに妙な抵抗感を覚えて、業務用ソフトの導入を躊躇するといったことが多くの事務所で散見されます。とくに、従業員の方々は今までのやり方に慣れていますので、「変える」ことに必ずといってよいほど抵抗を示します。

 P.F.ドラッカーはいいます。

「集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、『まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか』を問うことである。答えが無条件のイエスでないかぎり、やめるか大幅に縮小すべきである。もはや生産的でなくなった過去のもののために資源を投じてはならない。第一級の資源、特に人の強みという稀少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 仕事が少なくなっても銀行を毎日訪問する、やらないよりましだと考えながら同じ広告媒体を使い続ける、継ぎはぎで開発してきたシステムをだましだまし使い続ける、同じビル内でいくつもの部屋を借りている、思いあたりませんか? 過去には有効であったかもしれないが今となってはどうなのか。経営者はそれを常に見直し、貴重な時間、有能な人材の能力を有効に使うための手立てを考えなければなりません。「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」を考え続けましょう。

 よく、改善策を毎日提案させる、評価するという組織がありますが、改善の意味を明確にすることが重要だと思います。「新しいことを始めることだけでなく、古いことをやめることも改善だ」と定義してみると、より効果的な提案があがってくるかもしれません。

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2012年08月29日

一つのことに集中せよ(2) - 最も重要なことに集中せよ <2> -

 ちまたでは、「債務整理は下火だ」とか「先がないからやらない方がいい」との話がよくされます。確かに、過払い請求ができる案件は減少しましたが、多重債務者の人数はまだまだ多く、任意整理や破産などの案件はなくなることはありません。

 少し前まで債務整理業務は、それなりに広告すれば仕事が受注でき、それなりの処理をすればお客さまにも満足してもらえました。お客さまに選ばれるために努力する事務所はあまりなかったかもしれません。
 しかし、一部の事務所は債務整理という分野に特化し、エンドクライアントから支持を受け、その領域で勝ち残るために経営資源を集中させました。結果、そのような事務所への依頼は増え続け、いま現在も人手がたりず困っているという事務所もあります。

 なぜ、そのような差が生じたのか。あくまで私見ですが、司法書士は従来、閉ざされた非常に狭いマーケットで、しかも紹介チャネルに依存して仕事をするということに慣れきっていたので、エンドクライアントと仕事をすることの意味をほとんどの事務所は考えることができなかったからではないかと思っています。

 エンドクライアントに直接働きかけるモデルは債務整理以外にもあります。最近ですと相続周りのマーケットに次の市場をもとめている事務所も多いですね。しかし、債務整理であろうと相続周りであろうとマーケットの支持を受けられる圧倒的な力が最終的には必要です。うまくいっていない事務所の共通点は、仕事を受注することばかりに血道をあげて、サービスの内容、コスト、継続性など一つひとつの完成度が未熟であることのように感じます。

「二つはおろか、一つでさえ、よい仕事をすることは難しいという現実が集中を要求する。人には驚くほど多様な能力がある。人はよろず屋である。だがその多様性を生産的に使うには、それらの多様な能力を一つの仕事に集中することが不可欠である。あらゆる能力を一つの成果に向けるには集中するしかない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 P.F.ドラッカーがいうように、人は多くのことを同時並行的に行うことはできません。一つのことを着実に完成させ、戦略的にビジネスを発展させる、その視点が今の経営者には必要な気がします。

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