2010年03月15日

意思決定のための基礎知識 - 意思決定の秘訣 <1> -

 私の友人で、株式会社アイデアの代表の前古さんは、技術開発のあらゆるシーンにおいて最適な方向を示唆し、効率的な問題解決へとエンジニアを導く画期的な問題解決理論「TRIZ(トゥリーズ)」のコンサルティングを日本のトップメーカーに対して行っています。

 「TRIZ(トゥリーズ)」は、旧ソ連の特許審査官であったゲンリッヒ・アルトシュラー(Genrikh Altshuller)の指導のもと、世界中の250万件にもおよぶ膨大な特許の分析を行い、そこに見出された一連の法則を体系的で構造化された思考方法として構築したものです。
 技術者は、トレードオフにある課題の解決手段を探して常に試行錯誤しています。探す手段としては、自身の知識・経験・ひらめきに頼っているのが実情でしょう。「TRIZ(トゥリーズ)」は、「その課題はあなたが世の中で始めてぶち当たったものではなく、すでに世の中の誰かが過去に直面し、特許という形でその解決方法を表しているのだから、それを参考にしよう」という考えを基本として、その探し方と特許のデータベースがセットになったものです。従来までの思考プロセスを改め、より効率的に問題解決行う手助けとなるでしょう。
 この「TRIZ(トゥリーズ)」をビジネスの世界に応用しようとの研究も進んでおり、私たちが経験的に行ってきた判断を、より科学的に行うことができる取り組みは、今後ますます進化していくことと思います。

 さて、司法書士事務所においてプロフェッショナルとして働く方々は、経営者や部門のマネージャーに限らず、さまざまな局面において「意思決定」を求められます。「始めるか始めないか」、「続けるか終了するか」、「受け入れるか拒否するか」、「今なのか半年後なのか」、ビジネスは数限りないさまざまな意思決定と実行の繰り返しです。そのなかには判断が難しく、どのような意思決定をしても、その正誤は紙一重という問題が多くあります。

 「TRIZ(トゥリーズ)」のような意思決定を行うための科学的・汎用的な手法やデータベースがビジネスの世界でも今後開発されるかもしれませんが、既にその基礎知識については、P.F.ドラッカーが、私たちに多くを残してくれています。次回以降しばらくは「意思決定の秘訣」についてP.F.ドラッカーに学びながら考えてみましょう。

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2010年03月03日

必要なのは勇気だ - 集中するために <4> -

 P.F.ドラッカーは、優先順位や劣後順位の決定についてはいくつかの原則があるが、それらはすべて勇気に関わるものだといいます。

「第一に、過去ではなく未来を選ぶことである。第二に、問題にではなく機会に焦点を当てることである。第三に、横並びにではなく自らの方向性を持つことである。第四に、無難で容易なものではなく、変革をもたらすものに照準を合わせることである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 私は多くの司法書士事務所のコンサルティングを行っていますが、成長している事務所は、まさに上記の原則に則って、勇気ある意思決定に基づいて事務所の経営を行っています。

 「パイの奪い合いという競争はクライアントにとって一定の恩恵はあるものの、大きな価値をもたらさない」というのが私の持論です。現在、パイの奪い合いを「手段」としてではなく「目的」としてとらえている事務所が多いような気がします。
 社会にとって新たな価値をもたらさない者は、社会に必要とはされません。いつか新しい価値を提供する者に、取って代わられる運命にあります。

 成果をあげる組織となるためには、ドラッカーの言う「未来」「機会」「自らの方向性」「変革」という観点から、やるべきことを決定する勇気が経営者には不可欠といえるでしょう。

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2010年02月26日

劣後順位の決定が重要 - 集中するために <3> -

 「明日のために生産的な仕事」>「使える時間」は自明の理ですから、私たちは何をやって何をやらないかを決める必要があります。
 その意思決定にあたっては、実は優先順位の決定よりも劣後順位の決定のほうが重要だ、とP.F.ドラッカーは述べています。
 なぜなら、

「延期とは断念を意味することを、誰もが知っている。延期した計画を後日取り上げることほど好ましからざるものはない。後日取り上げても、もはやタイミングは狂っている。タイミングは、あらゆるものの成功にとってもっとも重要な要因である。五年前に賢明であったことを今日行っても、不満と失敗を招くにすぎない。延期は断念であるというこの事実が、何ごとであれ、劣後順位をつけて延期することを尻込みさせる。最優先の仕事ではないことは知っていても、劣後順位をつけることはあまりに危険であると思ってしまう。捨てたものが、競争相手に成功をもたらすかもしれない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 というジレンマがあるからです。

 私も司法書士事務所を開設した当初は、「来る仕事は何でもやる」とのスタンスで臨んでいましたが、徐々に、行う仕事とクライアントを選択するようになっていきました。しかしそれでも事務所は忙しく、いつも遅くまで仕事をしていました。それは、「捨て去る」との観点が薄く、劣後順位をつけるという視点がなかったせいかもしれません。
 自分自身は、事務所内での役割を変えていきながら常に新しいことに取り組んでいましたが、組織全体でみるとどうだったのか・・・・・・。今から振り返るとこの点は、経営者として大いに反省すべきことのような気がします。

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