2010年07月21日

自己管理と責任からなるリーダーシップ - 情報型組織の台頭 <5> -

 リーダーシップは、経営者だけに求められるわけではありません。組織のメンバー一人ひとりが、ある仕事ではリーダーとなり、情報を伝え、自身のミッションを完遂するために、他の人の協力を得なければなりません。

「情報型組織は、自由寛大な組織ではない。規律の厳しい組織である。それは強力かつ決定的なリーダーシップを必要とする。一流の指揮者は例外なく、厳しい完全主義者である。一流の指揮者を一流たらしめるものは、最後列のもっとも役割の小さな楽器をして、オーケストラ全体のできを素晴らしいものにするよう演奏させる能力にある。言いかえれば、情報型組織がもっとも必要とするものは、現場からトップにいたるまで、自己管理と責任のうえに立つリーダーシップである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 そう、「現場からトップにいたるまで」リーダーシップを発揮する必要があるのです。司法書士事務所でいえば、所長も資格者も事務スタッフも、事務所という組織の目標を理解し、そのために自分が何をすべきかを考え、自発的に行動できるようになることが理想です。しかし、そのような組織が自然とできあがるわけではありません。

 繰り返しとなりますが、それを創り上げる責任を負っているのは、経営者なのです。

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2010年07月14日

柔軟性と多様性をあわせもつ組織 - 情報型組織の台頭 <4> -

 さて、みなさんの事務所はどちらでしょう?

 (司法書士事務所A)
  従業員は、朝、事務所に着くまで、今日何をするかがわかって
  いません。出社すると、管理職(という名前の人)が、今日の仕事
  を振り分けてきます。
  与えられた作業は、とにかく今日中にこなさなければなりません。

 (司法書士事務所B)
  従業員は、朝、家をでる時から、今日成すべきことを理解して
  います。出社後は、特に指示がなくても、やるべきことを整理し、
  関係者と調整しながら優先順位を考えて進めていきます。

 P.F.ドラッカーは、前者を「従来型組織」、後者を「情報型組織」と定義しました。

「従来の組織は、軍をモデルにしている。ところが情報型組織は、オーケストラに似ている。すべての楽器が同じ楽譜を演奏する。受けもつパートは異なる。いっせいに演奏するものの、同じ音を合奏することはめったにない。バイオリンの数が多いからといって、第一バイオリンがホルンのボスであるわけではない。第一バイオリンは、第二バイオリンのボスでさえない。しかるにオーケストラは、一晩に、演奏様式も楽譜もソロの楽器もみなまったく異なる曲を五つも演奏する」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 オーケストラのように、事務所全体がひとつの楽譜(目標)に基づいて動く姿を想像してみてください。非常に愉快ではありませんか。

 P.F.ドラッカーはいいます。

「情報型組織は、組織内の個人と部門が、自らの目標、優先順位、他との関係、意思疎通に責任をもつときにのみ有効に機能する。したがって情報型組織においては、みなが『いかなる貢献と業績が期待されているか』『何が責任か』『自分が行おうとしていることを、組織内の誰が知り、理解すれば、協力し合えるか』『組織内の誰に、いかなる情報、知識、技術を求めるべきか』『誰が、自分の情報、知識、技術を求めているか』『誰を支援すべきか』『誰に支援を求めるべきか』を問わなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 「従来型組織」の形態をとりながら、オーケストラのように組織が動くことを期待している経営者が多いように思います。

 「環境は用意している、だけど人が動かない」という言い訳が聞こえてきます。
 しかし、あなたは本当にオーケストラの指揮者の仕事をしていますか?結果として効果が出せていないなら、経営者がその責任を果たしていないということです。

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2010年07月09日

中間管理職のミッションとは? - 情報型組織の台頭 <3> -

 ひとりの人間がマネジメントできる最適の人数は、軍隊の分隊の構成人数(5~6名)とされてきましたが、「情報型組織」はその単位を有名無実化するとP.F.ドラッカーはいいます。

「すなわち、ひとりの上司に報告する部下の数は、部下が上下、左右との関係や意思疎通に責任を負う意欲によってのみ上限が定められるという、意思疎通の範囲についての原則と呼ぶべきものに取って代わられる。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 前回あげた司法書士事務所の例のように、スタッフに作業を振り分け、進捗のみをチェックするといった役割の中間管理職を置く意味は薄くなってきています。
 中間管理職の重要なミッションは、そのような「作業」ではなく、「部下が上下、左右の関係や意思疎通に責任を負う意欲」を高め、自律的に実行できるように「支援すること」です。
 そのミッションを中間管理職が果たせないと、仕事は停滞し、業務効率を求められる組織のメンバーは疲弊し、人材の離職率が高まるという悪循環に陥ることになります。
 組織がある一定規模以上になってきた時に、従来のやり方で組織運営がうまくいかないことがよくありますが、それは、この中間管理職のミッションを、経営者が理解していないからにほかなりません。

 P.F.ドラッカーがいうように、

「情報型組織は、必ずしも先端的な情報技術を必要としない。必要なのは『誰が、どのような情報を、いつ、どこで必要としているのか』を問う意思である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 組織を作りあげていく過程では、この「意思」が常に問われているということを、経営者は肝に銘ずるべきだと思います。

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