2010年08月06日

強み重視の人事 - 人の強みを生かす <1> -

 18年ほど経営者という役割を担当していますが、なりたての頃は、大きな勘違いをしていました。最初は司法書士事務所を経営していましたが、事務所で働く人は誰もが、自分と同じように営業して、仕事をこなして、収入を高く得たいのだろうと思い込んでいました。
 組織とは、強い同質の個人の集合体にすぎず、成果をだすために人の集合を組織として機能させなければならないという考えがなかったのだと思います。ですから、営業をできない人、営業をやりたくない人にも当然のごとく「営業して仕事をとってくる」ことを求めていました・・・・・・その結果は惨憺たるものです。

 P.F.ドラッカーは、組織の人事は強みを中心に行うべき、といいます。

「成果をあげるためには、人の強みを生かさなければならない。(中略)強みを生かすことは組織に特有の機能である。(中略)組織は、人の弱みを意味のないものにすることができる。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 私は、「メンターエージェント」という人材紹介サービスを経営支援の一環として提供していて、そのなかで人材一人ひとりとキャリアカウンセリングを行っています。人材には必ず長所と短所を聞くのですが、それは表裏一体であるなということがよくわかります。「丁寧に物事を仕上げる」という長所は、「仕事が遅い」という短所にもなりえます。

 P.F.ドラッカーは、スーパーマンは存在しないという前提から出発します。

「大きな強みをもつ人は、ほとんど常に大きな弱みをもつ。山があるところには谷がある。しかも、あらゆる分野で強みをもつ人はいない。人の知識、経験、能力の全領域からすれば、偉大な天才も落第生である。申し分のない人間などありえない。そもそも何について申し分がないかも問題である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 それでも多くの組織の長は、部下のできないことを取りあげて、「成長がない」「うちの組織に向かない」と、人をオミットする傾向にあります。

「人に成果をあげさせるには、『自分とうまくやっていけるか』を考えてはならない。『どのような貢献ができるか』を問わなければならない。『何ができないか』を考えてもならない。『何を非常によくできるか』を考えなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 組織の長にとっては、なかなか難しいことのように思えますが、前回みたように、リーダーシップの本質を「地位や特権ではなく責任」と考えることができれば可能なことだと思います。

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2010年08月03日

責任と信頼  - リーダーシップの本質 <2> -

 リーダーに求められる三つの要件の続きです。

「リーダーたることの第二の要件は、リーダーシップを、地位や特権ではなく責任と見ることである」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 と、P.F.ドラッカーは言います。そして、その結果、

「真のリーダーは、他の誰でもなく、自らが最終的に責任を負うべきことを知っているがゆえに、部下を恐れない。(中略)優れたリーダーは、強力な部下を求める。部下を激励し、前進させ、誇りとする。部下の失敗に最終的な責任をもつがゆえに、部下の成功を脅威とせず、むしろ自らの成功と捉える。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 私が「この事務所は成長するだろうな」と感じる司法書士事務所の所長の多くは、この特性を備えています。自身より優れている部下を採用する、これは「最終的には自らが責任をとる」との強い覚悟と、それに支えられた自信を経営者が持っているからでしょう。

「リーダーたる第三の要件は、信頼が得られることである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 信頼を得るためには、

「リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである。(中略)リーダーが公言する信念とその行動は一致しなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 なぜなら、

「リーダーシップは賢さに支えられるものではない。一貫性に支えられるものである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 からです。

 極端な話ですが、白と言っていたものが黒に変わったとしても、それが経営者の信念に基づく判断であれば理解されるでしょう。根底に流れるところにブレがなければ、部下は安心して仕事ができるからです。

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2010年07月28日

カリスマ性はいらない - リーダーシップの本質 <1> -

 「カリスマ」の語源は、古代ギリシャ語の「恵み charis」に由来し、新約聖書では神から贈られる特殊な能力を意味していましたが、現在では「普通の人が持ち合わせない、人を魅了する非日常的な能力、またその非凡な資質を持つ人間」という意味で使われています。
 司法書士事務所の所長や企業の経営者の方と話していると、「僕は○○さんのようなカリスマ性は持ち合わせていないので・・・・・・」という言葉を聞くことがあります。失礼ながら、そうだな(笑)と思うこともありますが、そのようにおっしゃる方が優れた指導者であることが多いように思います。

 P.F.ドラッカーは、リーダーシップは手段であり、リーダーとしての資質やカリスマ性とは無関係であると言い、リーダーの要件を三つあげています。

「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。(中略)効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 リーダーたるものは、組織のなかでの役割を認識し、その役割を果たすことが自身の仕事であると見ている、ということだと思います。
 私自身も「組織が経営者を雇っている」のだと思っており、この言葉を経営者の方々にお伝えするようにしています。

 経営者の仕事は、組織を使って自身のやりたいことを実現することではありません。組織のミッションを規定し、組織がそのミッションを果たすために必要な役割を考えて、それを果たすことが仕事なのです。

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