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問題解決の必要条件は何か - 意思決定の秘訣 <5> -

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 成果をあげる意思決定を行ううえで必要とされる五つのステップの第二は、決定が満たすべき必要条件を明確にすることだと、P.F.ドラッカーはいいます。

「必要条件を簡潔かつ明確にするほど、決定による成果はあがり、達成しようとするものを達成する可能性が高まる。逆に、いかに優れた決定に見えようとも、必要条件の理解に不備があれば、成果をあげられないことが確実である。必要条件は、『この問題を解決するために最低限必要なことは何か』を考え抜くことによって明らかになる。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 ある司法書士事務所が、「クライアントに対してより良い(これ自体も事務所ごとに定義する必要がありますが)サービスを提供して、選択され、ゴーイングコンサーンのための利益を出し続けることができる組織作り」を求める成果としていたとしましょう。しかし、現象として起こっている問題が「恒常的な残業」による、未払い残業代、スタッフのモチベーションの低下、スタッフの頻繁な退職、サービスの質の低下であった場合、「この問題を解決するために最低限必要なこと」は何でしょうか。

  (1)残業代を支払いつつも利益を出すこと。
  (2)スタッフのモチベーションが高くなること
     (少なくとも下がらないこと)。
  (3)スタッフの健康を害さない程度の残業時間に抑えること。
  (4)クライアントのサービスの質が高まること
     (少なくとも低下しないこと)。

 という四つが、必要条件としてあげられます。でも、「残業をしない」という意思決定では(4)を満たさず、「残業はしてもらうが残業代は野放図に出す」という意思決定では、(1)~(3)を満たしません。
 このように必要条件を満たさない「現場対応的な処理」は「成果をあげる意思決定」にならず、かえって現場の混乱を招くことになります。


「必要条件を満たさない決定は、成果をあげられない不適切な決定である。実際、そのような決定は間違った必要条件を満たす決定よりもたちが悪い。もちろん、正しい必要条件を満たさない決定も、間違った必要条件を満たす決定も間違いである。だが間違った必要条件を満たす決定ならば、救済することはできる。一応の成果はあがるからである。満たすべき条件を満たさない決定は、新しい問題を生むだけである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 「成果をあげる意思決定」のためには、必要条件を正しく設定することが不可欠です。その視点で先にあげた例で必要な意思決定を考えると、

  (1)提供しているサービス、サービスのボリューム、サービスを
    提供する人員を勘案して、集中する事業ドメインを見直す。
    また、人員の数ならびにポートフォリオを見直す。
  (2)業務フローの見直しによって、業務効率をあげる。
  (3)メンバーのミッションと成果に対する評価を明確にする。

 という、事業の根幹から変革をするような決定が経営者には求められるでしょう。

 そう、考えられる必要条件を列挙し、満たすべき条件であるかを吟味することで、「成果のあがる」意思決定が可能になるのです。

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