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決定は本当に必要か - 意思決定の秘訣 <14> -

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 P.F.ドラッカーは、意思決定を行うべきかどうかも選択肢のひとつであるといいます。決定を行わないことも代替案のひとつだからです。

「楽観的というわけではなく、何もしなくても問題は起こらないという状況がある。『何もしないと何が起こるか』という問いに対して、『何も起こらない』が答えであるならば、手をつけてはならない。状況は気になるが、切実ではなく、さしたる問題が起こりそうもないというときは、問題に手をつけてはならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 司法書士事務所も新しい時代のビジネスモデルの構築に誰もが躍起になっています。他の事務所が始めたことを「自分も取り入れないと時代遅れになるのでは?」と焦って取り入れるケースが見られますが、他の事務所は他の事務所です。経営者は、自分の事務所は、いま何をしなければならない時期かをしっかりと見極めなければなりません。
 「何もしないと何が起こるか」と問うことで、その答えが見つかるかもしれませんね。

 P.F.ドラッカーはまた、中途半端な意思決定に警鐘を鳴らします。

「扁桃腺や盲腸を半分切除しても、完全に切除した場合と同じように、感染などのリスクがある。手術は、するかしないかである。同じように決定も、行うか行わないかである。半分の行動はない。半分の行動こそ、常に誤りであり、必要最低限の条件、すなわち必要条件を満足させえない行動である。」(「プロフェッショナルの条件」上田惇生編訳)

 司法書士事務所において、新しく債務整理のサービスを行おうと考えたとしましょう。

 集客にはどれくらいのコストがかかるのか、その業務がどのような業務なのか、どれくらいの工数がいつの時点で必要になるのか、どれくらいの売り上げが上がり、いつ回収できるのか、初めての人にはわかりません。このサービスにそもそも本格参入してよいかが不明なので、例えば登記業務を担当している司法書士に兼任させることを決定したとします。

 担当となった人は、このサービスを立ち上げるために半分の力しか使えません。かといって、ひとりが全力で投入する力の半分で関与して、半分のことを知ればよいのかというとそうではありません。ひとりが投入された場合と同じことを兼務のまま行わなければ、成果は上がりません。このような意思決定では、現在の業務を中途半端なものに追い込み、新しい業務も立ち上がらないという結果をもたらすことになるでしょう。
 「半分の行動」を意思決定しても何の効果も生まないのです。

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