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強み重視の人事 - 人の強みを生かす <1> -

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 18年ほど経営者という役割を担当していますが、なりたての頃は、大きな勘違いをしていました。最初は司法書士事務所を経営していましたが、事務所で働く人は誰もが、自分と同じように営業して、仕事をこなして、収入を高く得たいのだろうと思い込んでいました。
 組織とは、強い同質の個人の集合体にすぎず、成果をだすために人の集合を組織として機能させなければならないという考えがなかったのだと思います。ですから、営業をできない人、営業をやりたくない人にも当然のごとく「営業して仕事をとってくる」ことを求めていました・・・・・・その結果は惨憺たるものです。

 P.F.ドラッカーは、組織の人事は強みを中心に行うべき、といいます。

「成果をあげるためには、人の強みを生かさなければならない。(中略)強みを生かすことは組織に特有の機能である。(中略)組織は、人の弱みを意味のないものにすることができる。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)


 私は、「メンターエージェント」という人材紹介サービスを経営支援の一環として提供していて、そのなかで人材一人ひとりとキャリアカウンセリングを行っています。人材には必ず長所と短所を聞くのですが、それは表裏一体であるなということがよくわかります。「丁寧に物事を仕上げる」という長所は、「仕事が遅い」という短所にもなりえます。

 P.F.ドラッカーは、スーパーマンは存在しないという前提から出発します。

「大きな強みをもつ人は、ほとんど常に大きな弱みをもつ。山があるところには谷がある。しかも、あらゆる分野で強みをもつ人はいない。人の知識、経験、能力の全領域からすれば、偉大な天才も落第生である。申し分のない人間などありえない。そもそも何について申し分がないかも問題である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 それでも多くの組織の長は、部下のできないことを取りあげて、「成長がない」「うちの組織に向かない」と、人をオミットする傾向にあります。

「人に成果をあげさせるには、『自分とうまくやっていけるか』を考えてはならない。『どのような貢献ができるか』を問わなければならない。『何ができないか』を考えてもならない。『何を非常によくできるか』を考えなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 組織の長にとっては、なかなか難しいことのように思えますが、前回みたように、リーダーシップの本質を「地位や特権ではなく責任」と考えることができれば可能なことだと思います。

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