受け手の言葉を使う - コミュニケーションの四つの原理 <1> -
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司法書士事務所の経営者は、組織内の人を動かし、外部の人間と交渉し、時には専門家としてクライアントの相談にのることで自分の役割を果たしています。それらはすべてコミュニケーションを通して行われますから、よいコミュニケーションをとれるようになることは、極めて重要です。一般的にも、コミュニケーションの大切さが叫ばれ続けていますが、それは結局のところ、「よいコミュニケーション」とはどんなものか、理解している人は少ないということかもしれません。
P.F.ドラッカーは、コミュニケーションには「四つの原理」があるといっています。今回は、その一つめについて考えてみます。
「コミュニケーションは、受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験にある言葉を使わなければならない。説明しても通じない。経験にない言葉で話しても、理解されない。受け手の知覚能力の範囲を越える。コミュニケーションを行おうとするときには、『このコミュニケーションは、受け手の知覚能力の範囲内か、受け手は受けとめられるか』を考える必要がある。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)
司法書士事務所においても、所長は、所員・クライアント・アライアンス先などに対し、相手がこちらの言葉を理解できるように配慮する必要があります。
当たり前のことですが、コミュニケーションは伝わらないと意味がありません。それを肝に銘じていれば、クライアントに対して専門用語でまくし立てて説明する、なんてことはありえないはずです。しかし、そのような応対をする専門家が、残念なことに意外に多く見受けられます。
また所長が、所員に「一を聞いて十を知れ」と言ったとしても、所員がその意味するところを理解できなければ、いくら要求しても期待通りの成果はでてきません。繰り返し同じ言葉を言っても無駄です。相手がどう理解しているのかを確認しながら、相手がわかる言葉は何かを考え、それを使って話さなければなりません。