2011年9月14日

成果を大幅に改善する方法  - 成果をあげる能力は習得できる <8> -

 武田信玄を中心とした武田氏の戦略・戦術を記した軍学書である「甲陽軍鑑」のなかにある勝利の礎の言葉、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」 は、よく知られています。武田信玄は、人の力こそが国を守るとして城を築きませんでした。個人の能力や特徴を理解し、一人ひとりの才能を引き出す集団(組織)を作ることが重要であるとしたわけです。

 P.F.ドラッカーもまったく同じことをいっているように思います。

「人類の歴史は、いかなる分野においても、豊富にいるのは無能な人のほうであることを示している。われわれはせいぜい、一つの分野に優れた能力をもつ人を組織に入れられるだけである。一つの分野に優れた能力をもつ人といえども、他の分野については並みの能力しか持たない。 したがってわれわれは、一つの重要な分野で強みを持つ人が、その強みをもとに仕事を行えるようよう組織をつくることを学ばなければならない。仕事ぶりの向上は、万能な者をリクルートしたり要求水準を上げたりすることによって図れるものではない。それは人間の能力の飛躍ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 私の会社も常に人を募集していますが、面接のときに必ず聞くのは、「その人が何をしたいのか」「10年後にどうなっていたいのか」ということです。そしてその方の従来のキャリアから、その方の強みがどこにあるのかも併せて確認します。多くの方は「自分はこんなことをやってきたので、きっと御社の役に立てるはずです」とおっしゃいますが、私はまずは、その方がやりたいことを私の会社で実現してあげることができるだろうかを考えます。
 もちろん、経営者としては会社としてすぐにやってもらいたいこともありますから、最初はそこから始めてもらいますが、徐々にその方の強みを生かし、その方のやりたいことが実現できるような仕事やポジションになるべく移していこうと考えます。

 若干、P.F.ドラッカーとは違うかもしれませんが、人はやりたいことやなりたい自分のために能力を開発するのでしょうし、仕事の方法も自身のために改善していくもの、と考えます。組織マネジメントの役割のひとつは、メンバー各人のそれぞれのやりたいことや改善したいことを気づかせたり、応援したりするところにあるのだと思います。それは、一般企業でも司法書士事務所でも変わりないでしょう。

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山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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