2010年4月21日

フィードバックの仕組みを作る - 意思決定の秘訣 <9> -

 成果をあげる意思決定を行ううえで必要とされる五つのステップの最後は、フィードバックの仕組みを作ることだと、P.F.ドラッカーは述べています。

「決定を行うのは人である。人は、間違いを犯す。最善を尽くしたとしても、必ずしも最高の決定を行えるわけではない、最善の決定といえども、間違っている可能性は高い。そのうえ、大きな成果をあげた決定も、やがて陳腐化する。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 ここでは、「意思決定は間違う可能性があること」と「当初は最適な決定も、環境の変化で意味をなさなくなる」という2つのことが述べられています。
 2008年、佐賀地裁は、諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じました。今後どのような判断が下されるかは分かりませんが、最初の意思決定のなかに当初の結果と異なる結果が出た場合、後戻り(ないしは別の選択が)できるスイッチが組み込まれていたら、問題ははるかに容易に解決できたのではないでしょうか。
 また現在、民主党政権下で租税特別措置法の見直し論議が活発に行われています。既得権益となりがちなこの制度は、毎年のように改正され、制度の改正・廃止・新設が頻繁です。しかし、税法その他の法律も、その重要度に応じて、期間が過ぎれば一度廃止したり、新たに作り直すというスイッチをいれておいたほうがよいかもしれません。

 とかく、決まったものを見直すことを個人も組織も面倒だと考え、嫌がるものです。しかし、決定したことが正しかったのか、いまだに有用な決定であるか、を見直すことは、次の意思決定を行う際の重要なヒントになります。
 先に述べたような国や政府といった大きな組織だけでなく、企業や司法書士事務所においても、経営者が意思決定を行う場合は、それを見直しする期間を必ず設け、決定の正否と陳腐化について考える仕組みも取り込んでおくべきでしょう。

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プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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