2010年4月 7日

何が正しいかを考える - 意思決定の秘訣 <6> -

 成果をあげる意思決定を行ううえで必要とされる五つのステップの第三は、何が正しいかを考えることだと、P.F.ドラッカーはいいます。

「やがては妥協が必要になるからこそ、最初から、誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。満たすべき必要条件を満足させるうえで何が正しいかを知らなければ、正しい妥協と間違った妥協を見分けることができない。その結果、間違った妥協をする。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 これは当たり前のことのようですが、意思決定が行われる実際のシーンでは、そうなっていないことがよくあります。

 例えば、猫(ボス)の首に誰が(どうやって)鈴をつけるかという場合。
 大手企業の経営管理部門からの依頼によくあるケースです。以前、大手飲食チェーンの人事部から「人事制度構築」の相談を受けたのですが、オーナー社長の威光に沿うようにとの前提つきのものでした。私は、「効果が出ないものには着手できない」と、結局は依頼をお断りしました。
 また、司法書士事務所など比較的小規模な組織でよくみられるケースもあります。事務所内に影響力を持つ人(例えば司法書士事務所におけるベテランの補助者など)がいて、その人が正しい意思決定にネガティブな場合です。ボスがその人に気を遣いすぎたり、説得が億劫だと思うことから起こる現象です。
 いずれにしても上記のようなステークホルダーがいる場合、「その人たちに受け入れやすい決定」から最初に考えてしまうので、満たすべき(正しい)必要条件は検討すらされないことになります。

 始めから妥協している決定と、正しいことを明確にしたうえで妥協された決定では、明らかに結果が異なります。前者は、必要条件をまるで満たさないことの方が多いのです。
 まずは正しいことは何かを考えて、それを前提にどのような妥協が可能かを考えるように(順番を間違えないように)注意しましょう。

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プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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