成果をあげる意思決定を行ううえで必要とされる五つのステップの第二は、決定が満たすべき必要条件を明確にすることだと、P.F.ドラッカーはいいます。
ある司法書士事務所が、「クライアントに対してより良い(これ自体も事務所ごとに定義する必要がありますが)サービスを提供して、選択され、ゴーイングコンサーンのための利益を出し続けることができる組織作り」を求める成果としていたとしましょう。しかし、現象として起こっている問題が「恒常的な残業」による、未払い残業代、スタッフのモチベーションの低下、スタッフの頻繁な退職、サービスの質の低下であった場合、「この問題を解決するために最低限必要なこと」は何でしょうか。
(1)残業代を支払いつつも利益を出すこと。
(2)スタッフのモチベーションが高くなること
(少なくとも下がらないこと)。
(3)スタッフの健康を害さない程度の残業時間に抑えること。
(4)クライアントのサービスの質が高まること
(少なくとも低下しないこと)。
という四つが、必要条件としてあげられます。でも、「残業をしない」という意思決定では(4)を満たさず、「残業はしてもらうが残業代は野放図に出す」という意思決定では、(1)~(3)を満たしません。
このように必要条件を満たさない「現場対応的な処理」は「成果をあげる意思決定」にならず、かえって現場の混乱を招くことになります。










