2010年2月アーカイブ

2010年2月26日

劣後順位の決定が重要 - 集中するために <3> -

 「明日のために生産的な仕事」>「使える時間」は自明の理ですから、私たちは何をやって何をやらないかを決める必要があります。
 その意思決定にあたっては、実は優先順位の決定よりも劣後順位の決定のほうが重要だ、とP.F.ドラッカーは述べています。
 なぜなら、

「延期とは断念を意味することを、誰もが知っている。延期した計画を後日取り上げることほど好ましからざるものはない。後日取り上げても、もはやタイミングは狂っている。タイミングは、あらゆるものの成功にとってもっとも重要な要因である。五年前に賢明であったことを今日行っても、不満と失敗を招くにすぎない。延期は断念であるというこの事実が、何ごとであれ、劣後順位をつけて延期することを尻込みさせる。最優先の仕事ではないことは知っていても、劣後順位をつけることはあまりに危険であると思ってしまう。捨てたものが、競争相手に成功をもたらすかもしれない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 というジレンマがあるからです。

 私も司法書士事務所を開設した当初は、「来る仕事は何でもやる」とのスタンスで臨んでいましたが、徐々に、行う仕事とクライアントを選択するようになっていきました。しかしそれでも事務所は忙しく、いつも遅くまで仕事をしていました。それは、「捨て去る」との観点が薄く、劣後順位をつけるという視点がなかったせいかもしれません。
 自分自身は、事務所内での役割を変えていきながら常に新しいことに取り組んでいましたが、組織全体でみるとどうだったのか・・・・・・。今から振り返るとこの点は、経営者として大いに反省すべきことのような気がします。

| コメント(0) | トラックバック(0)

2010年2月23日

新しいものに時間を使う - 集中するために <2> -

 古いものを計画的に「捨て去る」ことで、なるべく優秀な人間の時間を確保し、「新しいもの」にその人の時間を使うことができます。

「新しいもののために新しく人を雇うことは危険である。すでに確立され、順調に運営されている活動を拡張するには、新しく人を雇い入れることができる。だが新しいものは、実績のある人、ベテランによって始められなければならない。新しい仕事というものは、どこかで誰かがすでに行っていることであっても、すべて賭けである。したがって、経験のある人ならば、門外漢を雇って新しい仕事を担当させるなどという、賭けを倍にするまねはしない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 司法書士事務所が新しい拠点を展開する際には、所長または所長と同等レベルの人が出ていくべきです。それ以外の人間に担当させて、成功している例をあまり見たことがありません。拠点展開を行うのであれば、経営者自身が、まずは現拠点における自分の役割を「捨て去っ」て、新しい役割に集中する必要があります。

| コメント(0) | トラックバック(0)

2010年2月17日

古くなったものを整理する - 集中するために <1> -

 P.F.ドラッカーは、成果をあげる人はもっとも重要なことに「集中」しており、「集中」するためには、捨て去ることが重要だといいます。

「集中するための第一の原則は、もはや生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには、自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、『まだ行っていなかったとして、今これに手をつけるか』を問わなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 時間は限られた資源ですから、その資源を何かに集中するためには、別の何かを捨て去らなければなりません。そして、捨て去るためには、「計画」「実行」「定期的な見直し」が常に必要になります(PDCAサイクルですね。これを捨て去るためのものと意識することは視点としては面白い)。

 ドラッカーが言うように、

「完全な失敗を捨てることはむずかしくない。(中略)ところが昨日の成功は、非生産的となったあとも生き続ける」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 から、厄介なものです。だからこそ捨て去るための見直しが必要なのでしょう。

 例えば、最近インターネットで、単純な会社設立業務を格安で行う専門家が増えており、同じ仕事をしているのでは手数料のダンピング合戦に巻き込まれていくだけです。設立手続き自体で利益が立たなくても、その後のクライアントニーズに応えることにより長期的スパンで貢献ができ、利益が出るという「積み上げ式モデル」がイメージできているならまだしも、この業務を継続する明確な理由がない(他にサービスを提供する人はたくさんいるので受託拒否という問題にはならないでしょう)まま仕事を続けることは疑問が残ります。

 価格が規定され、司法書士人口も少なかった時代と異なり、激しい競争のなかでは、製造原価を下げることと付加価値の高いサービスを提供することを考えられないのであれば、その業務は「捨て去る」必要があるかもしれません。

| コメント(0) | トラックバック(0)

2010年2月12日

時間を無駄にしているヒマはない - 時間を管理する <13> -

 P.F.ドラッカーは、成果をあげるための秘訣は「集中すること」だと言い、反対に成果をあげられない人の属性を三つにまとめています。

「第一に、一つの仕事に必要な時間を過小評価する。すべてがうまくいくものと楽観する。だが誰もが知っているように、うまくいくものなど一つもない。予期しないことが、常に起こる。しかも、予期しないことは、ほとんど常に、愉快なことではない。したがって、成果をあげるためには、実際に必要な時間よりも余裕を見なければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 司法書士業務に限らず何かを行う場合には、スケジュール(計画)をたてますね。その際、ガントチャートの横軸に一定程度の「あそび」がないと、不測の事態の発生時に対応できません。とくに経験値が不足している「はじめてのこと」の場合、不測の事態が発生する確率が高いので、できうるかぎりの「あそび」を持っておきましょう。

| コメント(0) | トラックバック(0)

2010年2月 9日

組織構造の欠陥からくる時間の浪費 - 時間を管理する <12> -

 マネジメント上の欠陥に起因する時間の浪費の最後、四つめは、情報に関わる機能障害からくる時間の浪費についてです。

「第四に、情報に関わる機能障害からくる時間の浪費がある。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 司法書士事務所の所長から、昼間はクライアントからの質問に忙殺され、電話がかかってこなくなる夕方から仕事を始めるために、夜遅くまで仕事をしてしまっている、との話を聞くことがあります。

 クライアントからの質問に素早く対応することは、もちろん良いことです。しかし、たまたま電話に出た人間が、その質問にすべて対応するというやり方では、組織としては大きなロスになります。事務所の他のメンバーが既にその答えを知っているかもしれませんし、クライアントもそう急いでないかもしれません。
 まずは、調査が必要と思われる質問か他のメンバーの知恵が必要と思われる質問かどうかを判断し、クライアントが回答を必要としている期限を確認することが大事です。

 時間の余裕があるのであれば、夕方の少し落ち着いた時間帯に、そういった質問に対する検討会の時間を取るとよいでしょう。各メンバーがクライアントからの質問や課題をお互いにぶつけあい、共有することで、各人が独自に行っていた「調べもの」の時間が省け、より良いアイデアをクライアントに返すことができるようになると思います。

| コメント(0) | トラックバック(0)

2010年2月 5日

組織構造の欠陥からくる時間の浪費 - 時間を管理する <11> -

 マネジメント上の欠陥に起因する時間の浪費の三つめは、組織構造の欠陥からくるものです。

「第三に、組織構造の欠陥からくる時間の浪費がある。その兆候は、会議の過剰である。会議は元来、組織の欠陥を補完するためのものである。人は、仕事をするか、会議に出るかである。同時に両方を行うことはできない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 以前、司法書士事務所を経営していた頃、金融機関によく営業に行っていましたが、会議に追われて本来の仕事ができないとの嘆き節を聞かされることが多くありました。

「会議の過多は、仕事の組み立て方や、組織の単位に欠陥があることを示す。たとえば一つの仕事や組織単位に属すべき仕事が、いくつかの仕事や組織単位に振り分けられていることを示す。責任が分散され、情報が必要な人間に与えられていないことを示す。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 もし、みなさんの事務所で会議が多くなってきたら危険信号です。なぜ会議が多いのか、組織上の問題点を疑ってみる必要がありそうです。

| コメント(0) | トラックバック(0)

プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
>>続きはこちら

アーカイブ

携帯電話からこのQRcodeを撮影することで携帯用URLを取得することができます
携帯電話用URL
http://dojou.mentoragent.org/i/

リンク集

山口毅のおもしろき世をよりおもしろく 司法書士 求人 就職・転職支援サービス メンターエージェント | 司法書士で就職・転職をお考えの方はこちら! 土地家屋調査士 求人 就職・転職支援サービス メンターエージェント | 土地家屋調査士で就職・転職をお考えの方はこちら! 司法書士 人材採用支援サービス メンターエージェント | 司法書士の求人・採用をお考えの方はこちら! 司法書士合格者・有資格者の方が事務所選びに成功するためのキャリアセミナーのご案内はこちら! メンタリングサービス 独立・開業を目指す司法書士の方へ。「司法書士開業塾」のご案内 司法書士 事業承継支援サービス 新しい時代のプロフェッショナルへのステップアップ講座 サイバーメンター 専門家による専門家のための超実践的セミナー「メンタージャム」開催中 コンサルティングファーム