2010年1月アーカイブ

2010年1月29日

人員過剰からくる時間の浪費 - 時間を管理する <10> -

 前回に続き、マネジメント上の欠陥に起因する時間の浪費についての二つめです。

「第二に、人員過剰からくる時間の浪費がある。人が少なすぎるということはありうる。人が少なければ、仕事のできあがりはよくないかもしれない。だが、それは一般的な状況ではない。むしろよく見られるのは、成果をあげるには人が多すぎ、したがって、仕事をするよりも、たがいに作用し合い、影響し合うことに、ますます多くの時間が使われているという状況である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 そして、現在自分の組織がその病魔に冒されているかどうかの判断基準も示しています。

「人員過剰についても、かなり信頼できる兆候がある。もし、組織の上のほうの人たちが、時間をある程度以上おそらくは一割以上を、人間関係、反目や摩擦、担当や協力に関わる問題に取られているならば、人が多すぎることはほとんど確実である。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 人が必要以上に多いと、各人は自身のミッションを果たすだけでは時間をもてあましますので、結果的にオーバースペックの仕事を行い、他の人に対して必要以上の干渉をするようになります。
 それが常態化し深化すると、なぜか皆忙しくなり、本来は人が余って生産性が下がっているにもかかわらず、更に人が必要との錯覚に陥ってしまうのです。
 
 司法書士事務所の経営者は、自身や事務所のミドルマネジメントが、資格者間や補助者間といった人間関係の調整に時間を費やしすぎていないか、見直してみてはどうでしょう。

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2010年1月26日

マネジメントの欠陥がもたらす浪費 - 時間を管理する <9> -

 前回までは、自分でコントロール可能な非生産的な時間に関する話でしたが、それよりももっと性質の悪い時間の浪費があると、P.F.ドラッカーは言います。それは、マネジメント上の欠陥に起因するもので、組織に関わるすべての人間の時間を浪費してしまいます。全部で四つありますので、一つひとつについて考えてみましょう。

「第一に、システムの欠陥や先見性の欠如からくる時間の浪費である。ここにおいて発見すべき兆候は、周期的な混乱、繰り返される混乱である。二度起こった混乱を再び起こしてはならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 そしてその対処方法として、

「繰り返し起こる混乱は予知できる。したがって、予防するか、事務的に処理できる日常の仕事にルーティン化しなければならない。ルーティン化とは、判断力のない未熟練の人でも、天才的な人間を必要とするような仕事を勝利できるようにすることである。有能な人間が経験から学んだことを、体系的かつ段階的なプロセスにまとめてしまうことである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 ほとんどの司法書士事務所では、毎月、月末に取引が集中し、従業員が夜中まで働く、ミスが発生するという混乱が発生します。そして同じことが毎月繰り返されます。

 制約条件となっているのは、
  (1)取引には司法書士が立ち会わなければならない
  (2)取引の日時はこちらが指定できない。
 のふたつです。

 ある一定数の司法書士を確保することと、その司法書士が取引に集中できる環境を作ることが対処方法となります。

 司法書士が取引に集中できる環境を作るためには、
  (1)その日、その期間に行わなければならないこととそうでないことを
    区別し、優先順位をつける
  (2)司法書士が日常行っている事務作業で、代替性がきくものにつ
    いては別の人員を確保しておく
 ということが必要です。

 これらのことを個人のやり方に任せるのではなく、組織としてルーティン化できる仕組みにすることが重要なのです。

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2010年1月21日

他人の時間も浪費しない - 時間を管理する <8> -

 引き続き、仕事を整理するために必要な視点の三つめです。

「第三に、自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除しなければならない。これは、自らが他の人の時間を浪費しているケースである。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 例えば司法書士事務所において、自律的に働いている部下に対しても、管理・指導のために日報の作成を求めているとしたら、それはその部下の時間を浪費してしまっているかもしれません。 実績での評価が中心となる営業職員は、朝礼に参加させるために事務所に通勤させるよりは、直接、取引先を回ってもらったほうが効率的かもしれません。
 事務所の経営者は、自分が所員に課している制度や仕組みが、所員たちの時間を浪費させていないか、定期的に検証する必要があります。

 時間の使い方を見直すためには、(1)無駄な仕事を捨て、(2)他の人に任せられることを任せ、(3)他人の時間の浪費となっている原因を取り除くことによって、仕事を整理する必要があります。
 そうすることで、時間をより効率的に管理できるようになるのです。

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2010年1月13日

自分の時間を増やす - 時間を管理する <7> -

 今回は、仕事を整理するために必要な視点のふたつめについて考えます。

「第二に、『他の人間でもやれることは何か』を考えなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 例えば司法書士事務所で、ひとり事務所の所長が、初めて人を採用する場合のことを考えると分かりやすいかもしれません。
 「忙しいから」といって人を採用する方が多いのですが、それだけでは理由が漠然とし過ぎていて、どのような人材を採用すればよいかが見えてきません。
 私はまず、現在やっていることで「他の人間でもやれることは何か」を洗い出してもらうようにしています。その「他の人間」は、まったく知識がない人・受験生・新合格者・経験のある資格者を想定することができますが、重要なことはその「他の人間」を採用することによって、自分の時間をどれくらい空けることができるかということです。
 まったく知識のない人を月給15万円で採用して、自分の時間が30時間節約できるのであれば、1時間を5、000円で購入したことになります。また、経験のある資格者を月給25万円で採用して、自分の時間が75時間節約できるのであれば、1時間を3、333円で購入したことになります。

 経営者は、常に自分の時間を他人の力を借りて増やしていかなければなりません。

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2010年1月 6日

仕事を整理する - 時間を管理する <6> -

 明けましておめでとうございます。今年も引き続き、当ブログをよろしくお願いいたします。さて少々、間があきましたが、時間を管理するための方法についての続きをお話しします。

 時間の記録の次は、その記録を使って時間の使い方を絶えず練習しなければなりません。そうしないと日々の仕事に流されてしまうことになります。自身の時間の使い方を見直すためには、次の三つの視点で仕事を整理する必要があるとP.F.ドラッカーは述べています。

「第一に、する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけ、捨てなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 「いかなる成果も生まない」かどうかを判断するためには、定期的に自分の時間(記録した結果)をチェックする必要があります。はじめた時は成果をあげていたことも、「組織の成長」「システムの変更」「求める成果の変更」などによって、今は無駄な時間ということは大いにありうることです。
 
 例えばある司法書士事務所で、部下の一日の行動を管理し指導するために日報を書かせて所長がコメントするという制度を始めて成果があったとします。しかしその後、事務所が成長しミドルマネジメントを置くようになったときにも、そのままその制度が続いていたとしたらどうでしょう。
 現場から離れてしまっている経営者に効果的な管理・指導ができるでしょうか。かえって現場を混乱させ、そのために莫大な時間を浪費させてしまうのではないでしょうか。

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プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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