2009年10月 9日

フィードバック分析から分かること(1) - 自らの強みを知る <4> -

 P.F.ドラッカーはフィードバック分析から、やるべきことと、やってはいけないことが明確になると言っています。「強み」と「弱み」を確認したら、それをどう生かすべきかについて、2回にわけて考えてみましょう。

「第一は、明らかになった強みに集中することである。成果を生み出すものに集中することである。」(「プロフェッショナルの条件」上田惇生編訳)

 たとえば司法書士事務所の所長から、「このエリアでは一番になったので、他のエリアに支店を出したい」との相談を受けることがよくあります。その際にお聞きするのは2つのことです。ひとつめは、他のエリアに進出してあなたの強みを生かすことができるのか。ふたつめは、現在の地域で一番を維持し続けるだけの仕組みを持っているのか。
 ほとんどのケースで答えは「NO」であり、それで支店を展開しても、結果的にほとんどの事務所で成果が出せていないようにみえます。

「第二は、その強みをさらに伸ばすことである。」(「プロフェッショナルの条件」上田惇生編訳)

 上記の例で言うと、地域で一番という「強み」を、他の追随を許さない「更なる強み」に創り上げるということです。そうすることで、外からの脅威に備えられるとともに、他のエリアへ進出するさいの「強み」にもなります。つまり、他のエリアに進出してもあなたの「強み」を生かすことができるのです。

「第三は、無知の元凶とも言うべき知的な傲慢を正すことである。多くの人たち、特に一つのことに優れた人たちは他の分野を馬鹿にする。他の知識などなくとも十分とする。ところが、フィードバック分析は、仕事の失敗が、知っているべきことを知らなかったためであったり、専門以外の知識を軽視していたためであったことを明らかにする。」(「プロフェッショナルの条件」上田惇生編訳)

 優れた人は、他の分野を馬鹿にはしていないにしろ、さほど重要視しない傾向にあります。特に士業の場合は、自分たちの関与する領域に線を引き、他の分野への関与について「中途半端に関与しては怪我をする」とおよび腰になります。
 しかし、同一士業間の競争が激しくなり、その専門領域だけでは勝負ができなくなってきた現在、今までの自分たちの都合は捨てて、クライアントの課題やニーズに応えていかなければなりません。中途半端な関与ではなく、自身の専門以外の領域との統合の重要性を認識する必要があります。

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プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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