自分ではコントロールできない現実の2つめは、
「第二に、自ら現実の状況を変えるための行動をとらないかぎり、日常業務に追われ続ける。(中略)したがって、日常の仕事の流れに任せて、何に取り組み、何を取り上げ、何を行うかを決定していたのでは、それら日常の仕事に自らを埋没させることになる。(中略)彼らに必要なのは、本当に重要なもの、つまり貢献と成果に向けて働くことを可能にしてくれるものを知るための基準である。だがそのような基準は、日常の仕事の中からは見出せない。」(『
プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)
ということです。
私は司法書士試験に合格してこれから事務所を選択しようとされている方に向けて、「キャリアセミナー」というものを実施しています。そのなかで、「司法書士として最初の3年間で学ぶべきこと」として、以下の3つの点を意識しながら仕事をすることをお勧めしています。
(1)クライアントのビジネスモデルごとに課題と解決方法を整理
すること
(2)クライアントの現在の課題はもちろん、他に課題がないかも
ヒアリングすること
(3)自分たちの専門分野に関する部分最適の解決だけではなく、
他の専門分野を総合した全体最適の視点を持つこと
これらのことはまさにドラッカーのいう「基準」です。
通常は事務所に入ると、「申請書を作って」「登記所で謄本を取ってきて」「立会いをして」と矢継ぎ早に仕事が言い渡され、目の前の業務に埋没していきます。
一つひとつの作業はできるようになりますが、成果をあげるためにいかに行動すべきかについてはいつまでも理解できません。
司法書士の所長からは「うちの所員は目的意識がない」「いつまでたってもできるようにならない」といった相談を受けることが多いのですが、その原因の一端が、日常のルーチン業務のなかには「基準」が見出せないことにあると気づいている方は、ほとんどいらっしゃらないような気がします。