2009年4月 8日

知識労働者は組織に依存しない -人材に継続的に活躍してもらうために-

 司法書士事務所が組織化されるにともない、当然のことながら組織は優秀な人材を採用し、保持し、才能を生かして組織に貢献してもらいたいと考えるようになります。
 しかし、従来までの司法書士事務所は、資格者は数年で独立することを前提として採用活動を行い、事務所で働いてもらってきましたから、「組織内で継続的に活躍してもらう」ために、採用活動や資格者との関係作りを図っていくということに慣れていません。

 P.F.ドラッカーは、

「彼ら(知識労働者※山口による脚注)以外の誰か、すなわち組織が、生産のための物的な道具を所有している。しかし、組織と知識労働者はたがいを必要とする。この新しい関係、現代社会における新しい緊張関係の存在は、もはや忠誠心は報酬だけでは得られないことを意味する。組織は、知識労働者に対し、その知識を生かすための最高の機会を提供することによって、初めて彼らを獲得できる。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 と述べています。

 「知識を生かすための最高の機会を提供する」ためには、その前提として、(1)知識労働者の持っている能力とキャリアプラン、(2)そのプランに沿ってキャリア開発を目指す能力、を知らなければなりません。そして、その二つが組織の理念やビジョン、さらには理念やビジョンを実現するための組織・人材戦略に、合致しているかどうかを確認する必要があります。

 そして、組織が「組織のミッション」を達成するためには、

「すでに組織は、製品やサービスと同じように、あるいはそれ以上に、組織への勧誘についてのマーケティングを行わなければならなくなっている。組織は、人を惹きつけ、引き止められなければならない。彼らを認め、報い、動機づけられなければならない。彼らに仕え、満足させられなければならない。」(『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳)

 のです。

 知識労働者(資格者)は事務所という枠組みがなければ、自身の「知識」という生産手段を活用することができませんから、事務所という組織に属する必要があります。しかし、彼らに組織に所属して活躍し続けてもらうためには、「この事務所でなければならない」という必然性を感じてもらわなければなりません。

 資格者も事務所側も(特に後者においては)、いかに相手を必要としているかを、しっかりと伝えることが大切なのです。

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プロフィール

山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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