2012年5月15日

自らの成果をあげる - 人の強みを生かす <6> -

 組織のトップであっても組織のなかでの役割があるので、やっていいことと悪いことがあります。
 自分がやったほうが早いし、うまくいく、司法書士の実務面ではそういうことが多々あります。それで仕事をかかえすぎてイライラしている経営者が多いのではないのでしょうか。でも、そんなことでイライラしても問題は解決しません。それよりも経営者として自分がやるべき仕事を探しましょう。


「成果をあげるエグゼクティブはそれらのものを探す。まず初めに『何ができるか』という質問からスタートするならば、ほとんどの場合、手持ちの時間や資源では処理できなくなるほど、多くのことがあることを知るはずである。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 経営者自身がどのようなやり方をすれば最も効果を上げることができるのか、これも意識して自己分析してみると面白いですし、それがわかってしまえば、以後は非常に効率的に物事を進められるようになります。

「成人する頃には誰でも、朝と夜のどちらが仕事をしやすいかを知っている。大まかに下書きをしてから書くのと、じっくり完璧な文書を一つひとつ書くのと、いずれがよい文章を書けるかを知っている。原稿を準備した場合と、メモだけの場合と、まったく何もなしの場合と、いずれがよいスピーチをできるかを知っている。さらには、チームの一員としてか、一人でか、いずれがよい仕事をできるかを知っている。チームの一員としては全く駄目かもしれない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

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2012年5月 8日

上司の強みを生かす - 人の強みを生かす <5> -

 司法書士事務所に限らず、経営者は自分の時間を作るために人を採用します。
自分の時間を作るために必要な人とは、自分でなくてもできることをやってくれる人、自分の強みを引き出してくれる人、ということです。そして、自分の強みを引き出してくれる人とは、自分の弱みを補足してくれる人、自分の強みを生かしてくれる人となります。これを部下(所員)の立場からみて、自分が成果を出すためにどうすればよいか考えてみると、

「『上司は何がよくできるか』『何をよくやったか』『強みを生かすためには何を知らなければならないか』『成果をあげるためには、部下の私から何を得なければならないか』を考える必要がある。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 ということになります。上司(所長)の悪いところをあげつらって文句を言ってみても、結局、上司が成果をあげてくれなければ部下は成果を出すことができません。それでは上司の強みを知る方法はどこにあるのでしょう。そのひとつの視点についてP.F.ドラッカーは次のように言います。

「上司もまた人であって、それぞれの成果のあげ方があることを知らなければならない。上司に特有の仕事の仕方を知る必要がある。単なる癖や習慣かもしれない。しかしそれらは実在する現実である。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)
「読む人に対しては口で話しても時間の無駄である。彼らは、読んだあとでなければ聞くことができない。逆に、聞く人に分厚い報告書を渡しても紙の無駄である。耳で聞かなければ何のことか理解できない。」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 上司がどんな特性を持つのかを知ること、それが上司を生かす鍵になるということですね。
 ちなみに、これは、部下⇒上司という視点だけでなく、上司⇒部下でも当然あてはまりますし、対クライアントの担当者といった外部の関係にもあてはまります。いろいろと応用が利くのでお考えになってみたらよいと思います。

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2012年4月27日

4つの原則(続き) - 人の強みを生かす <4> -

 強みに基づいた人事を行うための4つの原則についての続きです。三つめは、その人間にできることか、をチェックすることです。

 どうすれば判断できるのでしょうか。P.F.ドラッカーは普段からの人事考課が重要としています。ただ人事考課が通常は(今の日本の人事考課がそれに該当するかどうかは不明ですが)ポジティブ面(うまくいっていること)の評価ではなく、ネガティブな面(うまくいっていないこと)の評価を行っているがゆえに、そのままでは役に立たないそうです。司法書士事務所の考課においても思い当たることがあるのではないでしょうか?
経営者は、以下のような独自の視点で評価すべきと言っています。

「まず貢献の目標と実際の成果を記録する。その後、次の四点について評価する。

   (1) よくやった仕事は何か

   (2) よくできそうな仕事は何か

   (3) 強みを発揮するには何を知り何を身につけなければならないか

   (4) 彼の下で自分の子供を働かせたいと思うか

     ① そうであるならなぜか

     ② そうでないならなぜか

」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 成果報酬、目標管理など日本でことごとく失敗したと言われている人事評価制度は、おそらくその人の強みを知るということに力点がなく、報酬と連動させて業績を上げるというところに比重を置いたためにうまくいかなかったのかもしれません。
評価者側が、その人の強みを知るための評価であることを認識し、そのことを部下にきちんと伝えていれば、もう少し建設的な取り組みができたように思います。

 四つめは、弱みを我慢することです。
 強みに注目し、強みを生かすためには、弱みがその強みを阻害しない範囲で無視する必要があるということです。では、強みを阻害する弱みがある場合、どうするのでしょうか。

「マーシャルは強みの発揮を制約する弱みだけを気にした。しかしそのような弱みさえ、仕事と機会を与えることによって乗り越えさせようとした。


  たとえばマーシャルは、一九三〇年代の中頃、アイゼンハワー少佐に戦略的な思考を身につけさせるため戦略部門の仕事につかせた。その結果アイゼンハワーが戦略家になれたわけではなかった。しかし、戦略に対する敬意と理解力を身につけた。こうしてチーム編成や戦術についての彼の強みに対する制約が取り除かれた。

」(『経営者の条件』上田惇生編訳)

 弱みそのものを修正することを考えるのではなく、強みを生かすために障害となる弱みをカバーするというか軽減する方法を考えたほうがよいということでしょう。

 経営者自身の強みを知り、部下の強みを知る、そしてその強みを生かすためにはどうすればよいのか、そのことを常に考え実行できれば、組織として成果を出す一歩を踏み出すことができるのでしょうね。

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山口 毅
TAKESHI YAMAGUCHI

山口 毅
株式会社コンサルティングファーム 代表取締役
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