時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、体系的な時間管理を行うための方法についての続きです。
「第二に、他の人間でもやれることは何かを考えることである。」(『
経営者の条件』上田惇生編訳)
司法書士として独立して間もない方などから、人を最初に採用するタイミングについてよく聞かれます。多くの方はどれくらいの売り上げになったら人を採用すべきでしょうかと聞いてきます。もちろん人を採用すると継続的にお給料を出さなければならないので売り上げも重要なのですが、私の答えは売り上げ基準ではありません。
人を採用するタイミングは、自分でなくてもできる仕事を自分がどれだけ行っていて、それがどれくらいの塊になるかで決定される、が答えです。
つまり、自分がやりたいことをやるために、他人の時間を購入するわけです。P.F.ドラッカーの次の言葉は言いえて妙です。
「通常使われている意味での権限委譲は間違いであって人を誤らせる。しかし自らが行うべき仕事を委譲するのではなく、自らが行うべき仕事に取り組むために他の人にできることを任せることは、成果をあげるうえで必要なことである。」(『
経営者の条件』上田惇生編訳)
そして、管理方法の3つめです。
「時間管理のための第三の方法は、自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除することである。人は、他人の時間まで浪費していることがある。」(『
経営者の条件』上田惇生編訳)
なるほど、自分の時間が他人の時間を浪費しているとすれば、自分の時間が何も生み出さないだけではなく、周囲にも負の効果を及ぼしているわけですから最悪です。
たとえば、ある新しいプロジェクトを行うとボスが思いつきで決める。しかし、予算を決めない、期限も決めない、成果も決めない・・・・・・。プロジェクトはボスの思いつきで消滅する。こんなことがみなさんの事務所で行われていないでしょうか。
ドラッカーのいう3つの方法を実行するときに、ある不安が頭をよぎります。必要なことを削ってしまっていないだろうか。この不安に対するP.F.ドラッカーの答えは以下のとおりです。
「事実上、時間を整理しすぎる危険はあまりない。通常、誰でも自分自身の重要度については、過小ではなく、過大に評価しがちなものである。そして、あまりにも多くのことが、自分でなければできないと考える。こうして大きな成果をあげる者でさえ、多くの不必要かつ非生産的な仕事をしている。」(『
経営者の条件』上田惇生編訳)
司法書士事務所を経営していたとき、職員からよく言われたことがあります。「山口先生は何でも丸投げにする。」
でも、まったく問題は起こっていませんでした。おそらく(笑)。